ウィズアップ税理士法人

Tel:06-6281-0361

Fax:06-6281-0370

平日 9:00~18:00
(土・日・祝休)

お役立ちコラム

05 Column
文書作成日:2025/04/05
生命保険と相続放棄の関係

生命保険と相続放棄の関係について教えてください。

Q
今月のご相談

 先日、父が亡くなり、遺産分割について家族で話し合いをしました。母と家業を継ぐ兄が父の財産を引き継ぎ、家業にかかわっていない私は、手続きを踏んで相続放棄をすることになりました。
 相続放棄の手続き後、想定していた遺産とは別に、私が死亡保険金受取人に指定されている生命保険があることが判明しました。保険会社に確認したところ、死亡後に受取人を変更することはできないといわれました。相続放棄をした私が死亡保険金を受け取ると、相続税はかかるのでしょうか?
 また、入院特約も付加されており、入院日数分の給付金と手術給付金を請求できるようです。これらの給付金の受取人は被保険者、と記載されていますが、私が死亡保険金と一緒に請求手続きをします。給付金はどのように扱われるのでしょうか?

【当初の相続人】
 母、兄、私の3人
【相続財産概要】
  • 現預金:5,000万円
  • 有価証券:5,000万円
  • 生命保険:3,000万円(以下の保険金を含む)
  • その他の財産:200万円(以下の給付金を含む)
【保険の契約内容】
契約者・被保険者 保険種類 保険金・給付金 受取人
終身保険
入院特約付加
死亡保険金:2,000万円
入院給付:日額1万円
手術給付:20万円
死亡保険金:私
給付金:被保険者(父)
A-1
ワンポイントアドバイス

 今回のご相談の場合、ご相談者様が受け取る死亡保険金には相続税がかかります。また入院給付金・手術給付金については、ご相談者様に受け取る権利はなく、お母様とお兄様が受取人となります。

A-2
詳細解説
1.死亡保険金の取扱い

 生命保険の死亡保険金は、他の相続財産と異なり受取人固有の財産として扱われます。そのため、相続放棄をしても死亡保険金を受け取ることができます。ただし、亡くなった被保険者と契約者(保険料負担者)が同一の場合、相続税の計算上は、「みなし相続財産」として課税対象となります。

 ご相談のケースでは、相続財産の総額を踏まえると、ご相談者様が受け取る死亡保険金に対し、一定の相続税負担が必要となるでしょう。

 なお、相続税の計算において、上記の契約形態で相続人が受け取る死亡保険金は、通常、死亡保険金の非課税限度額(※)の適用を受けることができますが、今回のように相続放棄をしている場合にはその適用から除外されます。

(※)死亡保険金の非課税限度額:500万円×法定相続人の数

2.入院給付金・手術給付金の取扱い

 被保険者本人が受取人となっている入院給付金・手術給付金で、生前に受け取らずに亡くなってしまった場合には、被保険者の相続人が給付金を請求することになります。

 受け取る給付金は、他の相続財産と同様に被保険者の相続財産として扱われ、相続人の共有財産となります。相続放棄をした人は財産を共有する相続人ではないため、入院給付金・手術給付金を受け取る権利はありません。今回の場合、お母様とお兄様が受け取ることになります。

 生命保険契約は、遺族が存在を知らず後から発覚することがあります。円滑な遺産分割、効率のよい資産承継、相続手続きの負担軽減のためにも、定期的に資産の棚卸を行うとともに生命保険の契約内容をチェックし、契約の存在がわかりやすいように整理しておくことが大切です。

※文書作成日時点での法令に基づく内容となっております。
 本情報の転載および著作権法に定められた条件以外の複製等を禁じます。