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05 Column
文書作成日:2025/11/05
相続財産把握のために必要な資料とは

相続財産は、どのような資料をもとに把握したらよいでしょうか?

Q
今月のご相談

 先日、父が亡くなりました。49日の法要を終え、そろそろ相続の手続きなどを進めようと思うのですが、離れて生活していたため、父がどのような財産を所有していたのか全く分かりません。父の財産は何をもとに把握したらよいのでしょうか?

A-1
ワンポイントアドバイス

 お父様の財産を把握するには、まず、ご実家にあるお父様の身の回りの物(お財布、通帳など)の確認が必要です。また、基本的に財産を所有していれば、その財産についての通知やご案内などが、郵便物など何らかの書面でお手元に届くため、お父様宛ての郵便物などが手掛かりになる場合もあります。

A-2
詳細解説
1.財産を特定するために

 たとえば不動産を所有していれば、年に1度4月頃に固定資産税の課税通知書が市町村から送られてきます。

 有価証券をお持ちであれば、年に数回証券会社の取引報告書や配当金支払通知書が送付されてきます。証券会社に預け入れていない配当金の支払いがない株式でも、株主総会のご案内などの書類が送付されてきます。

 預貯金は、定期預金などへの預け入れがあれば、満期のお知らせなどのハガキが届きます。キャンペーンなどの案内が届いていれば、その金融機関に預け入れがある可能性があります。

 こうした書類を確認することにより、通帳やキャッシュカードが見当たらなくても、どの金融機関等で取引があったのかを把握することができます。

 預金通帳があれば取引の流れを確認することで、保険会社の名前で引き落としがあれば何らかの保険への加入や、あるいは一般の会社や金融機関名で入金があれば配当金や投資信託の分配金の可能性があり、有価証券や投資信託の所有を推測できます。また、貸金庫使用料が引き落とされている場合には、銀行にて貸金庫を借りておられます。貸金庫の中に大切な書類(通帳、実印、権利証など)が保管されている場合もありますので、貸金庫の中もご確認ください。

 ゴルフ会員権の場合は、会員証等が見当たらなくても、年会費のご案内などが届くことから、所有していることが判明する場合があります。

 このように、色々な情報の一端からお父様の財産を推測、把握していきます。

2.準備いただく主な書類の一覧表

 末尾に、亡くなった方の所有財産把握のために、ご遺族に準備をお願いしている主な書類を一覧にしました。

 相続手続きが全て完了した後に財産のもれが見つかった場合には、改めて相続人全員に署名・捺印をお願いすることが必要になる場合があります。
 そのような二度手間とならないように、財産の洗い出しは慎重に行うことが大切です。

 ご実家にある、ちょっとした書類や消耗品にも注目し、また、お父様宛ての郵便物などにも注意して、財産の把握に努めてください。

[ご準備いただく主な書類一覧表]

※財産の保有状況等によって、上記以外の書類をご準備いただくことがございます。

 なお、近年ではインターネットが普及し、株や銀行の取引などが電子化され、お手元に書類がない場合もあります。このようなデジタル資産の把握には時間がかかることもあるため、専門家に依頼するなども同時に検討しましょう。

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