お役立ちコラム
今回は、試用期間中に遅刻・欠勤を繰り返す職員への対応に関するご相談です。
当院では、就業規則において、3ヶ月間の試用期間を設けています。先日採用した正職員に遅刻・欠勤が多く、困っています。このままの状況が続くと、業務に支障が出るので、退職してもらいたいと考えています。その際の留意点を教えてください。
まずは、遅刻・欠勤を繰り返す理由を本人に確認し、指導をしましょう。その際、試用期間中であることや本採用を拒否する場合があることを本人へ説明しておくことが重要です。
できれば、試用期間中の退職ではなく、試用期間中は指導を継続した上で試用期間満了の際に、本採用をするか否かを決めたいところです。
なお、試用期間満了時に一方的に医院から本採用を拒否する場合は、解雇となり、解雇予告や解雇予告手当の支払いが必要です。
試用期間とは、医院が、新たに採用した職員の適性や能力、健康状態などについて評価し、本採用するか否かを判断するための期間です。
試用期間は、必ず設けなければならないものではなく、期間についても明確な基準はありません。多くの医院が6ヶ月以内の範囲で試用期間を設け、就業規則等に定めています。
今回のように職員が遅刻・欠勤を繰り返す場合であっても、直ちに試用期間中や試用期間満了をもって本採用を拒否できるとは限りません。どのような場合に本採用拒否とし、解雇となるか就業規則等で具体的な基準を定め、本人へ事前に説明しておく必要があります。
職員が遅刻・欠勤を繰り返す場合、まずはその理由を確認しましょう。寝坊や夜更かしなど本人に起因する理由の場合には、職員への改善指導が必要です。
一方、遅刻・欠勤の理由として、職場の人間関係やハラスメントなど仕事に関する悩みなどが関わっていることも考えられます。その場合、教育体制や指導方法の見直しなど医院側での対応が必要ないか検討することも必要です。
こうした医院の指導・対応にもかかわらず、改善の見込みがなく、本採用が難しいと判断したのであれば、試用期間満了をもって本採用を拒否することを検討します。
試用期間の適切な管理をしていないと、気づいたら試用期間が満了していることや、試用期間満了が目前に迫っていることも少なくありません。試用期間を意識した人事管理を行うことが重要です。
また、遅刻・欠勤の理由が突発的で一時的なものの可能性もあります。そのようなときは、試用期間の延長を視野に入れることも検討すべきでしょう。
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