お役立ちコラム
厚生労働省が提出した2025年度の税制改正要望より、医療・福祉分野の要望をピックアップしてご案内します。
■社会医療法人、特定医療法人、認定医療法人、福祉病院事業法人、オープン病院事業法人及び厚生農業協同組合連合会の収入要件の見直し
(所得税、法人税、相続税、贈与税、消費税、法人住民税、事業税、固定資産税、都市計画税、不動産取得税、特別土地保有税、事業所税、地方消費税)
社会医療法人等に係る収入要件について、補助金等の多寡が要件の充足に影響を与えないようにするほか、医療保健業の非営利性を確保するため必要な見直しを行う。
■社会保険診療報酬に係る事業税非課税措置の存続(事業税)
社会保険診療の高い公共性に鑑み、社会保険診療報酬に係る事業税の非課税措置を存続する。
■医療法人の社会保険診療報酬以外部分に係る事業税の軽減措置の存続(事業税)
医療事業の安定性・継続性を高め、良質かつ適切な医療を効率的に提供する体制の確保に資する医療法人制度を維持するため、さらに、健康診断や予防接種など自治体が主体となって行う事業を実施していることも踏まえ医療法人の社会保険診療報酬以外の部分に係る事業税の軽減措置を存続する。
■医療提供体制の確保に資する設備の特別償却制度の延長等(所得税、法人税)
医療提供体制の確保のため、@医師及びその他の医療従事者の労働時間短縮に資する機器等の特別償却制度、A地域医療構想の実現のための病床再編等の促進に向けた特別償却制度、B高額な医療用機器に係る特別償却制度について、適用期限を2年延長する。
■医療・介護DXの推進に伴う税制上の所要の措置
(所得税、法人税、相続税、贈与税、登録免許税、消費税、印紙税、国税徴収法、租税条約等実施特例法、国外送金等調書法、個人住民税、法人住民税、事業税、固定資産税、都市計画税、不動産取得税、特別土地保有税、事業所税、国民健康保険税、地方消費税、徴収規定)
医療・介護DXの推進に向け、医療介護のデータ利活用の方針及び基盤整備、システム開発・運用主体のあり方等について、社会保障審議会等で検討を行い、結果等を踏まえて税制上の所要の措置を講じる。
■予防接種法に基づく定期接種の対象疾病の追加に伴う税制上の所要の措置
(所得税、消費税、国税徴収法、個人住民税、地方消費税、徴収規定)
厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会における議論等を踏まえ、予防接種法に基づく定期接種の対象疾病を追加する場合に、現行の対象疾病と同様、追加した対象疾病の予防接種に係る健康被害の救済給付を非課税措置及び差押禁止の対象とする。
■医薬品・医療機器等の規制に関する制度の見直しに伴う税制上の所要の措置
(所得税、法人税、登録免許税、個人住民税、法人住民税、事業税)
医薬品・医療機器等の制度の見直しに向け、安全かつ迅速な承認制度の確立等について、厚生科学審議会で検討を行っており、その結果等を踏まえて、税制上の所要の措置を講ずる。
■医師の偏在是正の取組の実施等に伴う税制上の所要の措置
(所得税、法人税、相続税、贈与税、登録免許税、消費税、印紙税、国税徴収法、個人住民税、法人住民税、事業税、固定資産税、都市計画税、不動産取得税、事業所税、国民健康保険税、地方消費税、徴収規定)
2024年末までに策定する医師の偏在是正にかかる総合的な対策パッケージを踏まえた取組の実施等に伴う税制上の所要の措置を講ずる。
■サービス付き高齢者向け住宅供給促進税制の延長(固定資産税、不動産取得税)
サービス付き高齢者向け住宅を取得した場合の固定資産税の税額の減額措置及び不動産取得税の税額の減額措置及び課税標準の特例措置について、その適用期限を2年延長する。
厚生労働省による要望の詳細は、以下のサイトでご確認ください。各省庁や団体から提出された税制改正要望をもとに、年末にかけて次年度の税制改正が議論されます。
[参考]
厚生労働省「令和7年度厚生労働省税制改正要望について」
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