医療費控除における医療費とは、診療費・薬代・入院費などを差します。ここでは、判断に迷いよくお問合せいただく費用などをまとめました。
娘がうつ病で、心療内科へ通院しています。診療行為といっても医師とお話するだけなのですが、この費用は医療費控除の対象となりますか?
対象となります。
お話しする、いわゆるカウンセリングといわれるものであったとしても、その行為が医師による診療又は治療行為に該当する場合には、その対価として支払った費用は医療費控除の対象となります。うつ病のほか、自閉症その他精神的な病気に関しても上記行為に該当する場合には、同様に医療費控除の対象となります。
大部屋だと同室の人とのプライバシーが保たれず、また狭いので個室に移動しました。この個室利用料金は、医療費控除の対象となりますか?
対象とはなりません。
ご質問にあるいわゆる差額ベッド料金のほか医療用器具等の購入代金については、医師等の診療等を受けるために直接必要なもので、かつ、通常必要なものに限り、医療費控除の対象とされます。
したがって、ご質問の場合は、自己の気分のみで個室に移動しただけであり、病状のためや病院の都合で個室を使用するわけではありませんので、医療費控除の対象とはなりません。
病院の食事は味気ないので、毎日1回内緒で弁当を買って食べています。この弁当代は、医療費控除の対象となりますか?
対象とはなりません。
通常、病院に対して支払う入院患者の食事代は、入院費用の一部となりますので、医療費控除の対象となります。しかし、ご質問の場合は通常支払う入院費用の一部とは認められませんので、医療費控除の対象とはなりません。また、弁当代のほか果物・菓子類・外食代・出前代なども同様です。
なお、付添い人の食事代については、付き添いの対価の一部として家政婦などに支払われる場合を除き、医療費控除の対象とはなりません。
陣痛がおこったのですが、家に誰もおらず、タクシーを手配して病院へ行きました。このときに陣痛が激しかったので高速も使用しました。このタクシー代や高速代は、医療費控除の対象となりますか?
対象となります。
病院、診療所又は助産所へ収容されるための人的役務の提供の対価のうち、その病状その他一定の状況に応じて一般的に支出される水準を著しく超えない部分の金額は、医療費の範囲として、医療費控除の対象となります。
今回のご相談の場合は、急を要しており、かつ、公共交通機関を利用できる病状ではなかったことから、タクシー代及び高速代について医療費控除の対象となります。
また、今回のご相談にあるような急病によるタクシーの利用のほか、通院する病院等の近隣に公共交通機関がないためにタクシーを利用せざるを得ない状況にある場合に利用するタクシー代についても、医療費控除の対象となります。
ただし、たとえば電車やバスがあるにも関わらず、待つのが面倒だからという理由でタクシーを利用する場合などの、一般的なタクシー利用の場合には、そのタクシー代は医療費控除の対象とはなりません。
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